鈴木則子
■専門分野
■担当科目
[ 学部 ] 医療社会文化史・、女性生活史、生活文化史演習
[ 大学院(前期課程) ] 生活史論、生活史論演習
[ 大学院(後期課程) ] 共生生活史論
■ 研究内容
江戸時代の病気や女性の生活の歴史について研究しています。これまで、たとえばハンセン病、麻疹、梅毒といった感染症の研究をしてきました。私が関心があるのは、江戸時代にどのような治療がされたのか、という医学的な側面よりも、むしろ、これらはいずれも身体表面に症状が出る病気ですが、こういった病気を社会はどのように理解し、受け入れたり拒否したりしてきたのか、という点です。病をめぐる共生と排除の歴史を考えることは、現代社会における病気との共生の道を探るための、一つの有効な方法だと考えます。
その他に、入浴や化粧をめぐる研究も行っています。このような身近な生活習慣の変化を追いながら、習慣・行為の実態そのものよりも、背景にある、その変化をもたらした身体感覚や自意識の移り変わりについて考察を重ねています。
上記のような研究で扱う史料は、日本・中国の医学書や、市町村に残された古文書と呼ばれる記録、小説・随筆などの文学作品、個人の日記や浮世絵、化粧書に女性用読本など様々です。史料を繰りながら、過去の時代の人々との対話を通じて、時に共鳴したり、時に現代社会に生きる私たちの感覚との違いを発見する知的な興奮を、講義やゼミで学生にも伝えていきたいと思っています。

[ゼミ見学会] 京都島原の遊郭「角屋」にて

[ゼミ見学会] 奈良ハンセン病患者の史跡・北山十八間戸内部見学
■ ゼミ生の研究テーマ
「明治・大正の美容観--美容家藤波芙蓉をめぐって」 「サルヴァルサンと秦佐八郎」 「江戸時代の尼僧についての一考察--西鶴作品をつかって」 「行商人の姿から見る近代大和売薬」 「美容整形誕生の軌跡--近代日本における隆鼻術と重瞼術」 「『以良都女』と山田美妙--化粧と服装の側面から」 「産婆の目に映った大正期の母乳育児」 「江戸時代の刺青」 「化物黄表紙と江戸時代」 「江戸時代の一武士家庭における子育て」 「戦前・昭和期における身体美意識の考察」