野田 隆

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■専門分野

災害社会学、組織社会学、社会的危機管理論

■担当科目

[ 学部 ] 社会システム論、社会システム論演習、情報の管理とシステム、生活文化学演習
[ 大学院(前期課程) ] 生活リスク管理論、生活リスク管理論演習
[ 大学院(後期課程) ] 災害社会学

野田ゼミ

野田ゼミ

 

■ 研究内容

平成19~23年度       残存対応諸力の再組織化とマネジメント研究、       広域連携のネットワークガバナンス確立に関する研究
平成15~18年度       新公共経営の枠組みによる防災組織・制度の基本設計       危機管理組織の運営手法の分析

私の研究領域はいくつかに分類できますが、ここでは災害社会学について紹介します。この分野を学ぶことのできる大学がきわめて限られているからです。
自然災害は100%の自然現象ではありません。積雪地帯に30センチ雪が積もっても災害とは呼びませんが、東京に30センチ積もれば立派な災害になるでしょう。つまり社会側に、ある種の自然現象に対する傷つきやすさがあって、その傷つきやすさの具体的な有り様が文化的に異なるために、同じような自然的インパクトを被っても、被災の仕方、その後の対応の仕方などが社会によって異なるのです。人々によって「災害」とみなされる文化的条件は何なのか、このような研究は文化人類学の研究の中にもみられるものです。災害って何だろう?災害弱者って何に弱いんだ?どうして弱いままほったらかしなんだろう、これが第一の問題でしょう。
他方、被災社会の一連の社会過程の観察を通じて、日常に潜むさまざまな社会問題に気づくこと(家族、不登校、高齢化、都市的生活様式…)もあります。たとえば被災後の生活を支え合う家族は、日常よりずっとコミュニケーション頻度が高くなり、本来の家族のような姿を見せます。これは、災害そのものに関心があるのではなく、災害と呼ばれる一場面・状況を事例とした、個別社会学領域からの多様なアプローチであって、こうした関心からも取り組むことができます。これが第二の取り組み方です。
第三は、「防災」を意識した、社会政策論ないし社会工学的な関心をもちながら、現実の社会に役に立つ提案をしていこうという取り組み方があります。上に現在の私の研究テーマ名を記したように、私のここ10年の研究スタンスを一言で言ってしまえば、「防災の組織連関」であり、地方分権や行政の機構改革など現実の趨勢を織り込みながら、諸組織がどのように協調しあうかという問題が現在の関心事といえます。
幸か不幸か、この分野の研究者はほとんどいないので、学位論文を書くにはテーマに困ることがなく、何に取り組んでも「本邦初」の研究になりやすいので、文系とはいえ、博士号を取得しやすい領域と言うことができます。

■ ゼミ生の研究テーマ

学部では、災害社会学以外で卒論を書く人が多いようです。一言で言えば、「好き勝手なことをやっている」わけです。以下に一例をあげます。
・現代生活におけることわざの認知的位置づけ       ・生活情報の親子間伝唱 ・災害対応に見る地方自治体の危機管理 ・神話としての合理的情報処理-食品購入を事例として- ・災害時における援助行動の研究-阪神・淡路大震災を事例として- ・企業と地域社会の共生における現状と住民意識?延岡市を事例として- ・協同購入のコミュニティ形成に果たす役割についての研究 ・大学生のケータイ利用と友人関係および電話規範との関連に関する一考察 ・屋外広告のランドマーク性に関するブール代数分析 ・音楽による癒しの可能性-ヒーリング音楽に注目して-