青木研究室(生活経済学)

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社会や生活における食や農について、経済学を中心に多角的な視点で研究しています。

図1あおき食や農の研究というと、栄養、栽培、加工技術、遺伝子といった理科系の研究をイメージされる方が多いのではないでしょうか。私たちの多様な食生活を支えるためには、そのような理科系の研究に加えて、食や農業が社会や生活にどのように影響しているのか、あるいはどのような影響を受けるのかを研究することも重要です。たとえば、非常に栄養価の高い食品が開発されたとしても、その生産に莫大な費用がかかればその技術は普及しないでしょう。また、栄養価が高いから高価格で販売したとしても、消費者が限られた収入の中で購入するとも限りません。さらに、開発された技術が健康への悪影響があるとわかった場合などは法律や制度で生産が規制されるかもしれません。ほかにも、新たな食が登場することで食文化や習慣が変化することも考えられます。このように、食や農はわたしたちの生活や社会と密接に関係しています。

身近な食について、社会や生活との関係を探ってみませんか?

●青木研究室の紹介(図をクリックすると拡大します)

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【経済学…】

経済学…非常に難しそうで、生活に関わっていないような印象をもたれるかもしれません。しかし、経済学の語源は、古代ギリシャ語の「オイコノミア」(oikonomia)、家(oikos)+掟・法(nomos)、すなわち「家政」であると言われています。また、ライオネル・ロビンズは、経済学を「様々な用途に使える,希少な手段をいろいろ用いて,目的を達成しようとする人間が,どのように行動するかを,研究する学問である」と定義しています。ということは、たとえば、限られた給料の中で家族が満足に生活するために何を購入するのか、限れれた食材を使って満足できる食事をどのように作るのか、限られた時間を料理に費やすほうがいいのか働いてお金を稼ぐほうがいいのか、このような生活の一場面を経済学で考えることができます。もちろん家庭内だけでなく、社会の制度がどのように生産や消費に影響するのか、企業間でどのような取引が行われるのかといったことなど社会や生活の多くの事象が対象になります。

【現場を重視!!】

山地酪農の牧場

山地酪農の牧場

「人間がどのように行動するのかを研究する」ということは、対象とする活動においてそこに関与している人たち(組織も含む)が、どのような環境で何をどう選択して行動しているのかを実際に見て聞くことが非常に重要だと考えています。 特に、食や農の分野は地域による差異が大い上、消費者側から見えている情報と生産者側が持っている情報に大きな差がある場合が多いと思います。実際に現場を見て、自治体、生産者、企業、消費者などと話をすることで社会のさまざまな側面を学んでみましょう。

ヒマラヤ山脈のふもとに広がる棚田

ヒマラヤ山脈のふもとに広がる棚田

その上で、疑問に感じたことやさらに深めたい内容について、聞き取り調査、アンケート調査、統計データの分析を行っていきます。日本国内はもちろんのこと、海外を見て日本を考えることにも挑戦してみてください!