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野田研究室(災害社会学)

野田研究室

(1)野田研究室

3図1野田研究室は、「システム論」「生活リスク管理論」「災害社会学」の“三階建て”の研究室です。
学部で思考ツールとしてシステム論を学び、大学院でリスク現象を学ぶという組み立てになっています。

●野田ゼミの紹介(図をクリックすると拡大します)

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(2)システム論とは?

思考ツールのひとつです。生物学とか経済学のような固有の研究対象領域を持ちません。
いろいろな学問分野で使われています。ビジネスの世界でも使っています。
手に付く職は、常に磨いていないとすぐ陳腐化してしまいますが、頭に付く職=ものの見方は応用も利くし、結構用途が広いです。

①どんな考え方か

いろいろな特徴があるのですが、3つ紹介します。

1つめは、ある事物・現象を構成している要素の実体としての違いは無視して、要素間関係に注目するというくせを持っているということです。

たとえば、あなたを構成している細胞は、1ヶ月もたてばほぼすべて新陳代謝して入れ替わってしまいますが、1ヶ月前のあなたと今日のあなたは別人ですか?クルマのタイヤをブリヂストンからミシュランに履き替えたら違うクルマになってしまいますか?実体が変わっても関係が変わらなければ大きな変化とは考えないのです。

生活文化学科では、家族を研究することもできますが、お父さん、お母さんは家ごとにみな違うわけです。その違いが大きいのであれば、家族社会学とか家族関係論という学問自体が成立しません。ある家族を調べてもその家族のことしかわからないということになってしまうからです。

でも「構成要素間関係の比較的安定したまとまり」として家族をみたらどうでしょうか。父と母、父と子、母と子の<関係>として家族というまとまりを考えるわけです。父、母、子というポジションに誰が座るかという実体の違いはあまり考えないわけです。そうすると実体が違うのに驚くほど似た関係のパタンが観察されることに気がつくでしょう。それを私たちは役割と呼んでませんか?

問題は、ある現象なり問題を構成している要素は何なのかです。なんの関係として記述できるか?社会学では行為や役割を社会の構成要素とみる考え方から、コミュニケーションを構成要素とみる見方まであります。

2つめとして、原因→結果という単線的因果関係での説明の仕方を採用しないというくせがあげられます。

家族でいえば、親子は、親が原因で子が結果だという説明をしないということです。子どものいない夫婦は互いをパパとかママとか呼ぶでしょうか?子がいなければ親にはなれず、親がいなければ子になれない、このように互いに相手の存在を前提する関係を相互因果関係と呼ぶのですが、システム論は、このような相互関係を記述するのが得意なのです。

3つめは、創発特性に注意を払うというものです。

たとえば水(H2O)の構成要素は2個の水素原子と1個の酸素原子ですが、0℃で凍り、100℃で沸騰する性質は、水素の性質でもなく酸素の性質でもありません。水の性質としかいいようがないでしょう。このように、要素間関係としてのまとまり上で初めて観察される特徴を創発特性といいます。構成要素に還元できない特徴がシステムにはあるのです。

難しいですか? 難しく感じるかもしれませんが、「目から鱗が落ちる」みたいなおもしろさがあります。

②何を研究するか?

学部では、システム論的見方を応用するのであれば、何でもありです。自分の研究してみたいテーマを勉強してください。教師から「これをやってください」ということはありません。

(3)生活リスク管理論とは?

大学院博士前期課程では、生活リスクを中心に学びます。リスクという言葉は危険のことではありません。これも学問分野によってさまざまなニュアンスで言われますが、たとえば「都会に住むリスク」という表現だとわかりやすいでしょうか。都会に居住することで得られる便益と損益があって、その損益の方だけをさしてリスクと呼んでいる姿ですね。食べ物だってそうです。糖分は生きていく上で必要ですが、血糖値が高いと病気の元ですよね。システム論的にいえば、ひとつの要素が取り結ぶ関係はひとつではなく、正負の結果をもたらす多義的なものだということになります。

生活をとりまくリスクは、本質的に主観的なものであるため、実に多様で、私たちは生きていく上で、それらを選択し、管理していかねばなりません。でもその方法は私たちに開かれているでしょうか?

個人情報は自分で自分の情報を管理できますか?通学時に乗るバスや電車の安全運行に関与できますか?蛇口をひねれば出る水の安全性はどうでしょうか?

日本の道路で時速100キロを超えて走れる道路はありませんが、自動車のスピードメーターは180キロまで表示されていますが、どうして速度違反のできる自動車が売られているのでしょうか?

最近では食品偽装、JR北海道のレール点検問題、毒物混入などなど話題に事欠きません。

(4)災害社会学とは?

大学院博士後期課程では、自然災害への社会的対応をとりあげて研究しています。災害対応もすぐれてシステム論的現象なのです。お役人の世界では「防災は総合行政」と言われるほど、互いに関連する要素が多いのです。そもそも誰が何を災害と見なして受け入れるのか、という文化的・政治的問題もあります。

教員紹介のページにも災害の話を紹介してますので、繰り返しませんが、東日本震災以降、急激に研究が増えてきました。

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