女子学生霞が関インターンシップに参加して(2015年)

掲載:2015.11.05 執筆:生活環境学部生活文化学科2回生 高屋安優美

私は今年の夏休み、女子学生霞が関インターンシップに参加しました。

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『消費者庁「子どもを事故から守る!プロジェクト」シンボルキャラクター ア ブナイカモと一緒に!』

私は今年の夏休み、女子学生霞が関インターンシップに参加しました。私は、大学の授業やディベート、弁論を行うサークル活動を通して現在の日本の社会に存在する様々な課題について学ぶなかで、それらの課題を解決する一助に自分がなれる仕事に就きたいと考えており、様々な課題を政策の企画や立案、政策に基づく事業の実施を通して解決する、国家公務員という職業に関心をもっていました。しかし、これまで直接国家公務員の方々が行っておられる業務内容について知る機会を得られずにいました。そんな時、学科の先生からこのインターンシップが実施されるということを教えて頂き、実際の国家公務員の方々のお仕事をこの目で知ることが出来る機会だと考え、参加することを決めました。また、女子大学生が対象のインターンシップということで、特に女性の国家公務員の方々が実際どのように働き、活躍しておられるのかについて詳しく知ることが出来るのではないかと考えたことも、参加を決意する大きな要因になりました。

 

インターンシップは、5日間の間に3つの省庁に出向いて行うものでした。

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消費者庁が設置された山王パークタワー

インターンシップは、5日間の間に3つの省庁に出向いて行うものでした。私は、内閣人事局、金融庁、消費者庁に出向き、実習を行いました。私は、資格取得のために会計学を学ぶ中で、金融制度の重要性を知り、金融制度を企画・立案し、公平で安定した市場確保のために尽力している省庁である金融庁に興味を持ったことと、学科の消費者法に関する授業の中を通して、食品偽装問題や悪徳商法などの消費者問題について学ぶ中で、消費者の権利を守り、安全、安心に人々が暮らせるように消費者政策を企画・立案したり、消費者教育を行ったりしている消費者庁に興味をもったことから、金融庁と消費者庁でのインターンシップを希望しました。

実習内容は主に、各省庁で行っている施策の内容等に関して講義形式で学び、その後実際に社会で問題となっている事柄に関して資料を参照しつつそれを解決するための政策を決められたグループ内で考え、発表するというものでした。内閣人事局では「地方創生」が、金融庁では「Fintech」という新しい決済サービスが、消費者庁では「消費者教育」がグループ内で立案する政策のテーマとなっていました。

インターンシップで得たもの

インターンシップ以前、私は省庁とはとてもお堅い所で、国家公務員の方々は毎日深夜まで残業されており、女性の職員の方は少なく、女性職員の方が結婚したり出産したりするのは難しい環境なのではないか、というイメージを持っていました。しかし、インターンシップの際、各省庁の方々とお話をする中で、残業もある時はあるけれど、ワークライフバランスを大切にすることを国の方針として掲げているので深夜まで残業をすることは、今はほとんど無いということを知りました。また、女性の職員の方々も多く、キャリアを積む一方で子育てをしている方がたくさんおられることを知ることが出来ました。

そして、このインターンシップを通し、自分の短所にも気付かされました。それは、政策を考える上での発想力の不足です。私は、大学の授業や、インターンシップに参加するにあたって学科の先生に紹介して頂いた消費生活センターの方からのお話、書籍などにより、現在の金融制度の問題点や、消費者問題の現状等について自分なりに学んでからインターンシップに参加したつもりではありました。しかし、「現状発生している、もしくはこれから発生しようとしている問題をどうやって解決していくのか」ということを考える際に、あまり効果的な政策を思いつくことが出来ませんでした。これは私に、問題の解決のためにはどのような政策が有効なのか、外国で似たような問題が発生している場合どのような政策がとられているのか等々、物事の対策を考えるために必要な知識が欠如していたためではないか、そして自分が今まで社会の中で発生している問題に対してどうしたら解決していくことが出来るのかを検討したことが無かったためではないか、と考えています。そのため、これからは「どのような問題が現状あるのか」ということだけにとどまらず、「どうしたらその問題が解決出来るのか」という点についてもフォーカスを当てて学び、自分なりに考えていきたいと思います。

今回のインターンシップで私は、国家公務員の方々が実際にどのように働いておられるのかということや、政策の立案がどのように行われているのかを知ることが出来、また自らの短所を知るきっかけにもなりました。今回気付いた短所を克服していくと共に、将来自分がどのような仕事に就き、どのように働きたいかということについてこれからも考えていきたいです。

【参考】女子学生霞が関インターンシップの実施について(内閣官房)⇒http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/kasumi_internship.html

【参考(新聞記事)】女性キャリア、初の3割 15年度採用の国家公務員(2015年4月28日・日経)

2015/4/28 11:00

 政府は28日、2015年度に採用した国家公務員のうち「キャリア」と呼ばれる幹部候補の総合職に占める女性の割合が34.3%になったと発表し た。前年度から10.4ポイント上昇した。内閣府によると3割を超えたのは戦後初。女性の登用推進を掲げる安倍内閣の方針を受け、各省庁が女性の採用に重 点を置いた。 一般職と専門職を合わせた全体では女性が31.5%を占めた。政府は10年に定めた男女共同参画基本計画で15年度までに女性の採用比率を3割に高める目標を掲げ、これを達成した形だ。
15年度は総合職の新人662人のうち227人が女性。女性比率は最も高い法務省で60.0%、環境省(45.7%)や文部科学省(41.5%)でも4割を超えた。
各省庁が採用に際して課す総合職試験の合格者の女性比率は21.2%で、採用者の比率よりも10ポイント以上低い。各省庁が合格者から新人を選ぶ際に、男性よりも女性を採る傾向が強かったことがわかる。
政府は16年度も女性の採用比率3割以上を目標として掲げる。28日の閣議後の閣僚懇談会で有村治子女性活躍相は、20年までに女性の管理職を3割以上に高める目標の達成に向け新人教育に力を入れるよう各閣僚に要請した。